半導体製造装置ノート

クリーンルームの片隅から — 装置保全エンジニアの備忘録

2026-10-10 | 露光ArF液浸

ArF液浸露光のフォーカスばらつき、犯人はチャック平坦度だった

ここ数週間、ロットごとにフォーカスの面内ばらつきがじわじわ悪化。レシピも照明条件も変えていないのに、です。ステージの干渉計は正常、レベリングセンサの校正も問題なし。最終的に行き着いたのはウェーハチャックの平坦度——洗浄後の残留物が吸着面に薄く堆積し、局所的に数十nmの段差を作っていました。チャック洗浄の手順と頻度を見直してからは面内3σが改善。本記事では切り分けの手順を時系列でまとめます。

2026-09-28 | エッチング再現性

ドライエッチングのシーズニング条件、再現性を上げる小さな工夫

チャンバークリーニング明けのシーズニング、皆さんの現場では何枚で安定しますか。私の担当機では、ダミーウェーハの枚数だけでなく「投入間隔」を揃えることで、エッチレートの立ち上がりが明らかに安定しました。プラズマの発光モニタ(OES)の波形を見ながら、シーズニング完了の判定を時間固定から強度比ベースに変えた記録です。地味ですが、初回ロットの歩留まりに効きます。

2026-09-15 | CMPスラリー

CMPスラリー供給ラインの洗浄をサボると起きること

スラリー供給ラインの定期洗浄、忙しいと後回しにしがちですが、先日ついに付けが回ってきました。ライン内の凝集粒子が研磨中に放出され、スクラッチ起因の欠陥が多発。欠陥検査のマップとライン圧力のトレンドを突き合わせて原因を特定するまでの顛末と、洗浄周期・流量の見直し内容をまとめました。研磨レートだけでなく「供給系の健康」もプロセスの一部です。

2026-08-30 | 真空予防保全

ドライポンプの寿命は「音」で分かる — ベアリング異音の記録

成膜装置のドライポンプ、突発停止はライン全体を止めます。私はポンプごとに月次の「音の記録」をスマホで残していて、先月、その変化からベアリング劣化を早期に察知できました。振動値のトレンドと異音の周波数の関係、交換判断の閾値、予備機への切り替え手順まで。予防保全は大げさなシステムより、こういう小さな習慣の積み重ねだと思っています。

2026-08-12 | パーティクルクリーンルーム

パーティクル対策は「持ち込まない」が9割 — 更衣手順を見直した話

装置側の対策をいくら積み上げても、パーティクルの発生源が人である以上、更衣とエアシャワーの運用が効いてきます。新人教育用に更衣手順の動画を作り直し、ガウンの着用順序とグローブ交換のタイミングを標準化したところ、クリーンルーム内の浮遊粒子数が目に見えて下がりました。装置ノートと言いつつ、今回は「人と運用」の話です。

2026-07-25 | 立ち上げ中古装置

図面のない配管と格闘した、中古洗浄装置の立ち上げ記録

別ラインから移設されてきた中古の枚葉洗浄装置。配管図面が一部欠落していて、薬液ラインの接続先を一本ずつトレースする羽目になりました。バルブの開閉と流量計の応答を対応表に落とし込み、最終的には全ラインの系統図を再作成。時間はかかりましたが、この系統図が後のトラブル対応で何度も役立っています。移設立ち上げのチェックリストも添えておきます。